大鉢のふく刺しをお客様の目の前にお出しする瞬間というのは、この仕事をやっていて良かったな、と思える瞬間の一つです。
数あるふく料理の中でも最も華があり、これを目当てに下関まで足を運ばれるお客様はいまだ絶えることがありません。
口福の一時を創り出す、ふく刺しに秘められた“こだわり”を少し紹介させて頂こうと思います。 
 
 

しめる。

ふく刺しを引くにあたって、厨房ではまず、ふくを締める作業から始まります。
ふくは水分が多い魚。朝一番で届いたら水気を取る為にサラシを巻いて、夕方にはサラシを代えて…という作業を、天然ならば3、4回繰り返します。この作業を怠ると、せっかく引いたふく刺しが、みるみる縮んでいってしまいます。

 
 

ひく。

しっかり水分が抜けて、旨味が全体にまわったら、ふくを引いていきます。
確かに“薄造り”ですが、薄ければ良い、という訳ではありません。
旨味を残し、嫌味を残さない、それでいてポン酢との相性を考えてある、熟練された職人だけがなし得る、計算された厚さがあるのです。

 
 

もりつける。

いよいよクライマックス。
ふく刺しは、真ん中に行けば行く程、盛り付けるのが難しくなります。折り曲げる幅、ピンッと立った角の角度、上の段から繋がっている一枚一枚を結ぶライン。。。
ふく刺しが放つ凛とした美しさは、それが張り詰めた緊張感の中から生まれた作品であるが故なのです。
 

 

チリ鍋

当館のふくのフルコースでは、人数に合わせた土鍋に、豪快にふくのぶつ切りとあらを入れてちり鍋をお出ししております。ふく刺しを食べて“あれはポン酢のおいしさだ”と言った人が、ふくのみが持つふくのおいしさに気付くのはこの瞬間かもしれません。百聞は一見にしかず。まずは食べてみて下さい。
 
 
 
 

煮凍り

しっかり煮詰めた皮からでる成分で、ふくの煮凍りはできます。勿論、どんな魚でも出来るわけではありません。ふくという魚が、実はコラーゲンを大変豊富に含んでいるからできることなのです。
今年の冬は、ふくを食べて美肌効果!…なんて、どうですか?なんとも贅沢な響きです。。

 
 
 

唐揚げ

小ふくの唐揚げが主流になりつつありますが、唐揚げは、アラの唐揚げに限ります。ふくの唐挙げで、一番おいしいからです。
ふく刺し、チリ鍋の陰に隠れがちですが本当にふくが好きな人は、唐揚げをふく料理の一番に挙げると言います。小ふくとは別世界の唐揚げ、温かい内にどうぞ。
 
 

雑炊

すでに食べ尽くしたと思ったはずの鍋の中に、ふくのおいしさが、ほのかにしかし力強く残っていることに気付かされるのは驚き以外の何物でもありません。
一段落したら、ちょっとポン酢を落としてみてください。ふく料理にポン酢が使われてきた答えが、そこにあります。
 

 
 

ふくフルコース(一例)
 
下関では福が訪れるよう、にごらずに「ふく」と呼びます。
本場・下関のふくを料理人が腕をふるって調理したふくを存分にご堪能ください

 
 

夕食料理(一例)
 
四季折々の新鮮な魚介類が並ぶ「唐戸市場」から直送し、料理人が腕をふるった品々をご堪能ください

 
 

大輪のふく刺しの華
 
御結納、御両家の顔合わせ、七五三等々・・・大切な方との会食に、
大切な時間を過ごせるようお料理で一花添えます。

ふくフルコース

16500円(税込)~

前菜…ふくのもの三種
珍味…ふくの昆布〆
刺身…ふく刺し
中皿…ふく白子(1月~3月)
揚物…ふくアラ他
鍋物…ふくチリ
御主食…ふく雑炊
香物…季節の物
果物… 季節の果物

ふくづくし会席のコース

8800円(税込)~

小鉢…白子豆腐
刺身…ふく刺
蒸物…ふく蒸
焼物…ふく一夜干
蓋物…ふくそば
揚物…ふく唐揚げ
酢物…ふくチリ
御主食…ふく雑炊
果物… 季節の物